株式会社国際協力銀行2018年度
新卒採用情報

PROJECT

JBICのプロジェクト

Project 04

J-MRVで温室効果ガスの
排出削減量を「見える化」する

OUTLINE

プロジェクトのアウトライン

JBICは2010年4月から開始した「地球環境保全業務(GREEN)」の一環として、GREEN対象案件の温室効果ガス(GHG)排出削減量を客観的に評価し、「見える化」する手法としてJ-MRVを開発し、J-MRVガイドラインに基づいて運用しています。J-MRVは「Simple and Practical(分かりやすくかつ実務的)」を原則としており、その使いやすさに配慮しています。JBICでは、J-MRVがGHG排出削減量の定量化ツールとして広く活用されることによって、温暖化対策事業への理解や取り組みが世界に一層広がっていくことを目指しています。

PROFILEプロフィール

杉本 崇
インフラ・環境ファイナンス部門
電力・新エネルギー第2部
地球環境ユニット
調査役
岡本 文子
インフラ・環境ファイナンス部門
電力・新エネルギー第2 部
地球環境ユニット
副主任
STORY 01

GHG排出削減量を「見える化」する

杉本

 MRVとは、GHG排出削減量のMeasurement(測定)・Reporting(報告)・Verification(検証)のことで、GHG排出削減量を測定する手段として国際的に用いられています。「J-MRV」は、そのJBIC版として、GREENにおける出融資の対象事業のGHG排出削減量を定量化することで「見える化」し、地球環境保全に寄与するかどうかを検討するため開発した手法であり、その考え方・手続きをまとめたものが「J-MRVガイドライン」です。
 J-MRVガイドラインでは、GHG排出削減量を定量化する基本的な考え方や手続きとともに、対象となる事業・技術毎の定量化手法(個別方法論)が示されています。対象となる事業・技術は、再生可能エネルギー事業、交通事業など多様であるため、個別方法論では対象となる分野毎に算出方法を示して公開しています。
 GREEN開始当初は、最もニーズが多い再生可能エネルギー事業や高効率産業用機器等の、導入事業など3つの方法論からスタートしました。その後、新しい個別方法論を順次策定しながら、現在は10の方法論を備えています。JBICでは、この方法論を日本企業に積極的に活用頂くことで、地球環境保全事業の拡大に繋げたいとの思いから、業界団体などへのヒアリングを行ったうえで、日本企業の関心が高い事業分野を念頭に個別方法論として取り入れてきました。

岡本

 例えば、2015年はエネルギー管理システム(Energy Management System:EMS)方法論を導入しました。EMSは、高度なシステムによる徹底した省エネルギーによって、事業全体の電力や化石燃料の使用量を削減することでGHG排出削減を目指すものです。比較的新しいサービス分野ですが、EMSに用いられる出力制御技術は、日本企業の高い省エネ技術が活かせる分野です。
 JBICとしては、そうした日本企業の環境技術により、世界のGHG排出削減に貢献する機会が見込まれる分野に注目し、個別方法論を策定しています。今後も日本企業の環境技術や世界の動向に留意しながら、J-MRVガイドラインを改定していく予定です。

STORY 02

日本企業の海外環境投資にも
J-MRVによる「見える化」を応用

岡本

 J-MRVで使われる公式や数値の概念は専門性が高い部分もあるため、借入人等の関係者にとって実務上の負担になる可能性もあります。そのためJ-MRVの運用においては、「Simple and Practical 」の原則に則って極力、相手方に分かりやすく整理して伝えるとともに、手続きをシンプルにし、実務上の負担を軽減するよう努めています。
 その一方で、手続きをシンプルにする余りJ-MRVの信頼そのものが損なわれることのないよう、国際的な議論や技術の進展に応じて見直しを行うとともに、外部有識者のアドバイスを受けるなどして信頼性の担保にも努めています。

杉本

 J-MRVは本来、GREENの対象案件からどの位のGHG排出量削減効果が出たのかを「見える化」するためのツールです。しかし最近では、GREEN対象案件以外でも、日本企業の海外事業を投資金融で支援する場合に、J-MRVを適用することがあります。これにより、GHG排出削減効果を「見える化」し、日本企業の高い環境技術をアピールすることが可能になります。こうした点でも海外において地球環境保全効果を有するプロジェクトの実行を検討されている日本企業に貢献したいと思います。

J-MRVガイドラインに基づき確認されたGHG排出削減量

(2016年3月末時点)

表は左右にスライドできます。

案件概要排出削減量(累計値)(CO2t/年)
契約調印年月 国・地域名 借入人・出資先 使途 本行出融資承諾額 検証済サブローン等
件数(累計値)
適合 限定付適合
2011年3月 ブラジル BNDES ブラジルの再生可能エネルギー案件 180百万米ドル(融資)※1 7 113,568
2011年3月 中南米 CAF 中南米諸国の再生可能エネルギー案件 180百万米ドル(融資)※1 1 416,521
2011年3月 インド ICICI銀行 インドの再生可能エネルギー案件及びエネルギー効率化案件 120百万米ドル(融資)※1 8 801,898
2011年10月 メキシコ BANCOMEXT メキシコの太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギー案件 60百万米ドル(融資)※1 1 15,403
2011年12月 南アジア地域 South Asia Clean Energy Fund, L.P. 南アジアの再生可能エネルギー事業、省エネ事業等 20百万米ドル(出資)※2 3 36,892 50,000
2012年2月 インド ICICI銀行 インドの再生可能エネルギー案件及びエネルギー効率化案件 180百万米ドル(融資)※1 4 206,869
※1 別途本行保証部分あり 
※2 本行出資承諾額

Project 01

フリーポートLNGプロジェクトの
LNG輸送船調達に対する
プロジェクトファイナンス

Project 02

台湾における石油化学事業に
対する出資

Project 03

英国の高速鉄道計画に対する
プロジェクトファイナンス

Project 04

J-MRVで温室効果ガスの
排出削減量を「見える化」する

Project 05

プロジェクトはどのように組成されるか
~融資検討から融資契約調印まで~