株式会社国際協力銀行2019年度
新卒採用情報

Project

CASE 04

海外向け投資ファンドに助言を行う
JBIC IG Partnersの設立

Project Outline

JBICは2017年6月、(株)経営共創基盤(IGPI)と共同で(株)JBIC IG Partners(JBIC IG)を設立した。JBIC IGの役割は、日本の政策金融機関として海外業務を遂行するJBICと、長期的・持続的な企業価値・事業価値の向上のために経営に参画するハンズオン型成長支援を行うIGPIが、それぞれの強みを活かして海外向け投資ファンドに助言を行うことにある。これまでのJBICでの経験も活かし、投資分野の選定や投資案件の発掘といった新しい挑戦に取り組むことで日本企業の海外展開支援を目指している担当者2名の思いに迫った。

Profile

太田 雅之
JBIC IG 投資事業部
宗原 智策
JBIC IG 投資事業部
01
対露ビジネス支援を目的とする
第1号ファンドを設立
[宗原]

 世界のインフラ需要のさらなる拡大が予想される中、日本政府はインフラシステム輸出を成長戦略の一つと位置付け、「質の高いインフラ投資」を推進する「質の高いインフラパートナーシップ」を発表しました。これらの政策に応えるべく、JBICは海外インフラ事業などのさらなるリスクテイクを可能にするため、2016年5月株式会社国際協力銀行法を改正し、同年10月1日から、相対的にリスクの高い案件に融資する「特別勘定業務」を開始しました。こうしたリスクマネーの供給を強化する流れの中で、出資業務も合わせて強化するという狙いの一つとして設立されたのがJBIC IGです。

[太田]

 JBICでも2016年10月にエクイティファイナンス部門を設立するなど出資業務を強化していますが、中小規模の出資を行うためには速やかな意思決定が可能な小回りの利く組織の方が有利となります。このような事情に加え、AIやIoTなどの先端技術が様々な業界に大きな影響をもたらしている今日、そうした分野での知見や経験を有しているプレイヤーと協働する体制を整える必要性があったこと、また、投資に対するリターンだけではなく“日本の発展に資する”というJBICの使命への理解があることなどを勘案し、IGPIと共同でJBIC IGを設立することとなりました。小さな組織ではありますが、投資銀行やコンサルタントなど様々なバックグラウンドを持つメンバーが揃っており、投資案件の“目利き”の方法や仕事の進め方などのカルチャーなど、JBICでは持ち得なかった視点を取り入れられる点は、我々にとって大きな刺激になっています。

[宗原]

 2017年9月には、日本企業の対露ビジネス展開支援を目的とする第1号ファンド、RJIF(Russia-Japan Investment Fund)を設立し、現在RJIFは、ロシアにおいて生産される石油の輸送を担う世界最大のパイプライン会社と、世界有数のアルミニウム生産とともに発電事業を行う企業2社に投資実行しています。
 ロシアは石油・天然ガス・鉱物などエネルギー・資源大国ではありますが、エネルギーに依存する経済やウクライナ問題をきっかけとする経済制裁などの観点から日本企業からは、他国に比べリスクが高い国と捉えられています。一方で、引き続きロシアのポテンシャルを感じている日本企業は多く、また日露間での経済協力を推し進めることが日本政府の重要政策の一つでもあることから、ロシアのソブリン・ウェルス・ファンド(Sovereign Wealth Fund:政府が出資する投資ファンド)であるRDIFと組んで日本企業の対露投資や経済交流を進めていく必要があると考えています。

[太田]

 JRJIFは、日本企業の対露ビジネス展開の支援を目的としていますが、現状、ロシア向け投資を積極的に行っている企業が必ずしも多いわけではありません。そのため、JBIC IGでは、様々な日本企業に対しRJIFの認知度向上を進めるともに、日本企業側のニーズをRJIFの共同運営者であるRDIFに共有し、ロシア側でも案件発掘に努めるプロセスを繰り返し行っているところです。

02
日本の近未来に資する案件発掘が
JBIC IGの使命
[太田]

 既存のビジネスモデルを覆すような新たなテクノロジーが世界で相次いで生み出される今日、「業界の成長性の判断」一つをとっても、これまでとは比較にならないほど難易度が高まってきています。JBICでは、融資、出資ともに幅広い業界を手がけていますが、JBIC IGではこうしたテクノロジー関連の成長の速さを日々実感しています。
投資ファンドの世界では、大手プライベートエクイティファンドが強い影響力を持っていますが、最近ではベンチャーキャピタルがその存在感を高めており、その世界で高いパフォーマンスを残している人々は、業界や最先端技術の動向に深い洞察力を持ち投資判断をしています。AIやIoT、あるいはライフサイエンスの分野などでは、“秒進分歩”ともいうべきスピードで技術革新が起きており、その動向をウォッチしながら「適切なリスク管理のもとに攻める姿勢」「将来の日本の産業界にとっての重要性」といった軸を加味した投資判断を下すのが難しいのは事実です。しかし、それを乗り越えてこそ世界における日本のプレゼンスが高めることが可能となりますので、使命感を持って投資案件の発掘・創出に挑んでいます。

[宗原]

 企業に対して資金を入れると一言でいっても、融資と出資には大きな違いがあります。返済を待つスタンスという意味で融資を「静」と表現するならば、出資は経営に関与するとともに出資金の「出口」を自ら探すなど、資金を出した後も「動」のスタンスが強く求められます。現在は世界的にも“金余り”の状況が続いており、有望な投資案件においては資金の出し手に困ることがありません。また、JBIC IGの使命は日本の産業界に裨益をもたらし、かつ国益にも資する投資案件の発掘・創出であり、大きなリターンの期待できる案件であれば何でもいいというものではありません。その意味でも、JBIC IGとしての付加価値を追求するとともに、世界の投資家が未だ見出せていない投資案件はどのようなものか。近未来の日本の企業、産業界が必要とし、かつ世界をリードしていく先端技術のシーズがどこに眠っているのか。それを見出す“目利き力”を培っていきたいと考えています。

ProjectJBICのプロジェクト

ProjectCASE05

プロジェクトはどのように組成されるか
~融資検討から融資契約調印まで~