私たちの使命#5

アンケート調査実施を通じ、日本企業海外展開サポート

JBICが掲げる「羅針盤」としての役割の一端を担う

OUTLINE

JBICでは1989年から毎年、日本企業の海外事業展開の現況や課題、今後の展望を把握する目的で、「わが国製造業企業の海外事業展開の動向」に関するアンケート調査を実施しています。2018年度の第30回調査に関わった清水彩乃は、調査チームの一員としてアンケートの作成や個別企業へのヒアリングなどをサポート。結果を報告書にまとめ公表しました。現在は部署異動を経て、出融資担当部門で案件組成に係る営業事務などを担当。業務職職員として使命感を持って目の前の業務に取り組む日々に、確かな手応えとやりがいを見出しています。

PERSON

業務職
清水 彩乃(2015年入行)
産業ファイナンス部門
船舶・航空部 第1ユニット
副主任

製造業企業を訪問し
対面でのヒアリングも実施

海外に製造拠点を置く日本企業を対象に、JBICが毎年実施している「わが国製造業企業の海外事業展開の動向」に関するアンケート調査は、直近の2023年度で35回目となった歴史ある調査です。私は調査部に所属していた2018年、第30回の調査に携わりました。調査チームの一員として総合職職員をサポートしながら、アンケート調査票の作成や、対象企業約1,000社への調査票の発送、回答の取りまとめ、調査レポートの作成などを担いました。

アンケート回答には全てチームで目を通し、より詳しくお話を伺いたい企業を数社ピックアップし、実際に訪問してのヒアリング調査も実施しました。私もこれに参加し、アンケートだけではつかみきれない各企業のものづくりへの様々な思いや熱意に触れられたことが印象に残っています。調査レポートの作成に際しては、結果をより分かりやすく表現するにはどのようなグラフを作るべきかなど、チームでアイデアを出し合いながら調整を重ねました。

それまでデータ分析の経験がほぼなかった私にとり、一連の作業は難易度が高いものでした。取り組む上で心にあったのは、日本企業にとってもJBICにとっても役立つ資料となり得るこの調査を、しっかりとやり遂げようという使命感です。製造業企業に対象を絞って長期にわたり実施されている調査は他に類を見ず、JBICが掲げる羅針盤の役割の一端となる取組みでもあります。長期の時系列データがそろっていることから、日本企業にとって、市場の動向を俯瞰的に捉え、今後の見通しを立てる材料にもなります。加えて私が担当したのは30回目の節目の調査だったこともあり、歴史ある調査のバトンをつなぐ一人として責任の重さも感じました。調査結果の発表前後には、行内外から反響や問い合わせが寄せられ、また報告セミナーに各国大使館の方々が出席してくださったことも思い出されます。それだけ広く注目されている調査に関われたことに、やりがいを覚えました。

個々の業務を着実に進め
案件の滞りない進行に貢献

入行以来、複数の部署を経験して実感するのは、業務職の仕事の内容は所属部署によって大きく異なるということです。例えば入行2年目に業務企画室(現・経営企画部 業務課)で携わった国際協力銀行法の改正に伴う事務は、今振り返っても貴重な経験だったと感じます。法改正により、それに紐づく行内の規程や規則が大きく変わるため、多くの事務手続きが発生します。当時は入行から歳月が浅く不慣れな点も多かったのですが、関係する部署の先輩業務職の方々にもサポートをいただきながら、限られた期間内に業務を遂行することができました。法改正を受けて新しい部署が立ち上がるなど、JBICの業務の幅が広がる過程を目の当たりにし、そこに自分が間接的に貢献できていることを実感しました。

現在は出融資担当部門で輸出金融案件の契約締結に係る事務などを担当しています。スケジュールがタイトな状況下でも、上司や総合職担当者と細かく情報共有しながら、進捗に合わせて準備を着実に進めることに努めています。携わった案件が新聞に載ることもあり、日々の業務を通して、日本の大きな船舶が世界へ輸出される一助を担えている手応えを得ています。

業務職は、事務のプロフェッショナルであることが求められ、日々の業務では細かな事務作業も多いです。しかしそのどれもが案件を前に進める上で欠かせないものであり、また扱う金額の規模も非常に大きいことから、例えばシステムでの登録作業一つをとっても重みと責任を感じます。任された業務を正確かつ迅速にやり遂げることが、案件の滞りない進行につながり、ひいては日本企業への貢献や、JBICのミッションの遂行にも結び付くことを常に心にとめています。現在の出融資担当部門で培った視点も活かし、この先、再度バックオフィスの部門で行内全体の案件を見るような業務にも携わりたいと考えています。

PROJECT OUTLINE

JBICでは、海外事業に実績のある日本の製造業企業の海外事業展開の現況や課題、今後の展望を把握する目的で、「わが国製造業企業の海外事業展開の動向」に関するアンケート調査を毎年実施している。1989年に始まり、2023年度で35回を数えた。調査内容は、開始時より継続して調査している有望事業展開先国・地域ランキングをはじめとする「定例テーマ」と、その時々の世間の関心事を取り上げる「個別テーマ」の2つのパートで構成される。集計・分析を経て公表される調査結果は、日本の製造業の海外事業展開の“今”がつかめるデータとして、企業や研究者、外国政府など様々な方面から注目を集めている。JBICでは調査結果を踏まえ、日本企業の海外事業展開支援や、各国・地域の投資環境改善に向けた現地政府当局及び関係機関との対話などに引き続き注力している。