職員が語る“JBIC REAL DAYS” #16
学生時代に日本の製造業の国際経営について学び、グローバルに事業展開をする日本企業を後押ししたいという思いでJBICに入行した朝比奈友里。出資業務を担うエクイティ・インベストメント部でファンド
業務を担当する中で、イノベーションの震源となる諸外国・地域と日本企業を結びつけることで、日本企業の国際競争力向上に寄与する業務にやりがいを感じていると語ります。第一線で活躍するファンドマネージャーや先輩方から得られる学びや今後の目標について聞きました。学生時代に国際経営論を学んでいる際、日本の製造業が、自社で全てを完結する自前主義からの脱却に苦戦している状況を知りました。それをきっかけに、私はグローバルに事業展開をする日本企業を後押しできる仕事に興味を抱きました。就職活動で企業選択の軸としたのは、日本企業が実施する海外ビジネスに関わる機会があること。また、若手から実務経験を豊富に積めることや、独自性があり中長期的にも必要とされる企業であることも重視しました。そうして出会ったのが、国際金融に特化した政策金融という唯一無二の組織、JBICでした。職員訪問をした際、若手のうちから大きな裁量を与えられる企業風土を知り、私の軸と合っていると感じたことが入行の決め手になりました。
入行後に配属されたのは、JBICが近年注力している出資業務を担うエクイティ・インベストメント部。私はプライベート・エクイティファンド及びベンチャーキャピタルに関する案件管理を担当し、ファンドマネージャーからの各種依頼に対応したり、投資状況のモニタリングを行ったりしています。また、新規案件組成にも携わっており、出資契約締結に向けて関係者との協議・交渉や調査などを行っています。
私が担当しているファンド業務は、イノベーションの震源となっている諸外国・地域と日本企業を結びつけ、JBICならではの支援により日本企業の国際競争力向上に寄与する新規性の高い取組みです。案件の性質によっては、外国政府機関と協調しながら、日本企業と相手国の双方のニーズを満たす投資スキームを考えていく必要もあり、大変得がたい経験ができています。
650名余りの組織であるJBICでは、早い段階から責任ある仕事を任せてもらえます。しかし、官民をまたがった多様なステークホルダーの橋渡し役として案件を考える必要があり、悩まされる場面も多いです。JBICによる投資が多方面から期待されている中、どのような投資スキームを作ればJBICとしての責務を果たせるのか。留意すべき変数が何かが見えづらく、定まった解もない状況で、最善の選択を続けることが求められます。
こうした難しさに悩まされながらも業務を進めていけるのは、各国の第一線で活躍しているファンドマネージャーや先輩方から、業務を通じてハードスキル・ソフトスキルの両面を学ぶことができているからだと思います。自らの理想と現実の乖離を自覚しながら成長していける、非常に刺激的な毎日です。また、JBICには論理立てて説明できれば若手の意見であっても上長が聞き入れてくださる風土があります。自らの意見を上長に示し、微力ながらも議論を進展させる一助になれたと感じたときには、大きなやりがいを感じられます。
現在エクイティ・インベストメント部に所属している私にとって、当面の目標はファンド業務に関する専門性を磨きあげることです。プライベート・エクイティファンドやベンチャーキャピタルに関する知識はもちろん、課題の解決に向けてどのような順番でどのようなアクションを取るべきかというソフトスキルも身につけていきたいと思います。
また、長期的には、JBICならではの投資手法の活用に貢献していけるよう、国内外・行内外を問わず業務を遂行できる人材に成長していきたいと考えています。そのためには、語学、金融、地政学・地経学の知識習得が欠かせません。先輩方のように幅広い知識を身につけながら、複眼的な思考を養っていきたいと思います。
※ ファンド:投資家から集めた資金を用いて投資を行い、そのリターンを分配する仕組み。