未だかつてない変革の時代だからこそ、未来を切り開く「羅針盤」になろう 代表取締役総裁 前田 匡史未だかつてない変革の時代だからこそ、未来を切り開く「羅針盤」になろう 代表取締役総裁 前田 匡史

MESSAGE

世界は、変革の時代へ

世界はかつてない変革の時代を迎えています。

国際的なリーダーシップを発揮してきたG7(先進7か国会議)の影響力が薄れ、中国では「一帯一路」構想が提唱され、米国では”America First”の政策が推進されています。その結果、米国・中国・EUの貿易摩擦問題に発展するなど、「地政学の時代」が到来しています。また、第4次産業革命と呼ばれる、AIやIoTなど幅広い分野における「テクノロジーの革新」も著しく、こうした変革が同時に生じているのが、世界の現状です。

一方、日本国内に目を向けると、少子高齢化が進む中で、働き方改革を通じたさらなる労働参加の促進、イノベーションによる生産性の向上などにより、潜在成長率を高めていくことが急務となっています。安倍首相は「成長戦略実行計画」(2019年6月21日閣議決定)を発表し、産業界も既存産業の垣根を越えた生産性向上に取り組んでいます。

さらに、気候変動対策は世界的関心が一致する喫緊の課題であり、我が国の高度な環境技術を活用した案件や再生可能エネルギー案件をはじめ、環境の保全・改善につながるようなプロジェクトの実施への期待も増しています。

JBICは、
新時代を切り開く「羅針盤に」

こうした変革の時代において、JBICに求められる役割とは何でしょうか。

JBICは、株式会社国際協力銀行法に基づき、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨とし、インフラ・資源開発などカントリーリスクを伴う長期・巨額案件の対応や、中堅・中小企業を含めた日本企業の海外展開支援に加え、国際的な金融不安への対処など、幅広い業務を行っています。

これらの業務を遂行するにあたり、JBICは企業理念として、「国際ビジネスの最前線で、日本そして世界の未来を展(ひら)きます。」を掲げています。これは、JBICにとってのコア・バリューである、「現場主義」、「顧客本位」、「未来志向」の3つを表すものです。

こうした認識の下、JBICは2018年6月に「第3期中期経営計画」を策定し、10年程度先にありたい姿「海図なき世界情勢の中で、日本企業の海外ビジネスを切り開く『羅針盤』でありたい。」を中長期ビジョンとして定めました。JBICは「海図なき世界情勢における羅針盤」となり、新しい時代を切り開いていく役割を果たしたいと考えています。

具体的には、JBICがプロジェクトの初期段階から参画し、プロジェクトの先導役を果たし、次代を担う新産業の海外展開、質の高いインフラ海外投資や資源の確保などを出融資を通じて支えていきます。それが日本の経済成長を貢献し、ひいては日本のプレゼンス向上につながると信じています。

第3期中期経営計画の初年度となった2018年度の取組みとしては、例えば、重点取組課題としている「成長分野・新領域」の分野では、北欧・バルト地域のIT先端企業を投資対象としたファンドを設立し、当該ファンドの投資対象となるスタートアップ企業と日本企業とのビジネスマッチングを行い、イノベーションといった切り口で日本企業の戦略的取組を支援しました。

「インフラ海外展開」の分野では、インドネシアのGas-to-Powerプロジェクト(発電施設及びガス関連施設の一体開発)などに対する融資を実施しました。また、JBICは日本政府の政策の下、米国・豪州の政府や政府機関と連携し、3か国で「自由で開かれたインド太平洋イニシアティブ」実現のために協力して、質の高いインフラプロジェクトを実現していくことにしています。

さらに、「環境保全」の分野では、2018年7月に地球環境保全・低炭素化への貢献に焦点を当てた「質高インフラ環境成長ファシリティ」を新設しました。当該ファシリティの下、英国の洋上風力発電事業などに対する支援を実施しました。「M&A」の分野でも、アイルランドの製薬会社大型M&A案件などに対する出融資を実施しました。

こうした取組みを通じ、今後もイノベーションをはじめとした成長分野・新領域での案件形成、政策的重要性の高いインフラ案件の推進、地球環境保全・低炭素化への貢献、日本企業に対する海外M&A支援など中期経営計画上掲げられた重点取組課題に注力していきます。

JBICのコア・バリュー

  • 現場主義

    海外プロジェクトの現場に密着し、早い段階から能動的に関与を行うことで、先駆的な付加価値を創造します。

  • 顧客本位

    顧客の立場になって考え、その声を政策形成につなげることで、独自のソリューションを提供します。

  • 未来志向

    安心で豊かな未来を見据え、高い専門性を発揮して、日本と世界の持続的な発展に貢献します。

若手職員も、
現場に脚を運べる環境へ

こうした中で、私が常々職員に対して伝えているのは、「必ず現場を見に行け」ということです。現場に行って自らの感覚を研ぎ澄ませ、今起こっていることを肌感覚で把握すること。そして、それを俯瞰して理解することで、はじめて世界や日本政府に対して提言できると思っています。

そのため、私が代表取締役総裁に就任した2018年から、若手職員が海外に出られる機会を増やしています。例えば、入行1年目の全総合職職員を3か月間、海外駐在員事務所に派遣するようにしました。また、海外出張にも一人の担当者として積極的に行ってもらっています。その機会が限られる出融資担当部門以外の若手職員には順番に私の出張に同行させ、海外に出る機会を作っています。

業務内容においても、より幅広い経験ができるようになってきました。例えば、従来の融資業務のみならず、2016年にエクイティファイナンス部門を新設し、2017年にJBIC IGを設立するなど出資業務の強化にも注力しています。2019年度にはイスタンブール駐在員事務所を新設するなど、海外ネットワークもさらに充実することになります。

また、私自身が先頭に立って、働き方改革にも取り組んでいます。チームで働く環境づくりを進めるとともに、RPA(Robotic Process Automation)をはじめとするIT技術の活用や業務プロセスの見直しなどにより業務の効率化も促進。それによって空いた時間は、クリエイティブな仕事や自己研鑽に充ててもらうことができます。

この先駆的な環境で、
ダイナミックな仕事を

米国で新たに誕生したUSDFC(U.S. International Development Finance Corporation)という機関もJBICを見習ってできたと言われているように、JBICは、世界的に見ても「先駆的な組織」です。また、日本政府・外国政府・国際機関・日本企業と「ありとあらゆる方面と関係性を有する」のもJBICの強みです。何かを始めようと考えたときに、無限に可能性が広がっていると言えるでしょう。

こうした先駆的な環境で様々な経験を積み、日本や国際経済社会に貢献するダイナミックな仕事に挑戦していけること。それが、JBICで働く最大の魅力ではないでしょうか。今後の「海図なき世界情勢」において、新しい時代を切り開いていける「羅針盤」として、皆さんが活躍する日を楽しみにしています。