JBICでは職員一人ひとりの成長を促すため、人材育成・人材開発制度を充実させています。2023年に創設した新たな研修体系「JBIC Academia」や、目指すべきキャリアパスを明確にするOJT、中長期的なキャリア開発の仕組みについてご紹介します。
JBICの企業理念である「国際ビジネスの最前線で、日本そして世界の未来を展きます。」を実現していくためには、金融に関する「専門性」、そして複雑化する国際情勢の中で、その動向と変化を俯瞰しながら日本と国際経済社会の発展、グローバルな社会課題の解決を見据えられる「公共性」、「国際性」を高い水準で備えた人材が不可欠です。
そこでJBICでは、2023年4月より新たな研修体系として「JBIC Academia」を創設。海外職務経験、ファイナンスや言語などの知見、ビジネス・マネジメントスキルなどを幅広く習得できる多様な研修を設定しています。また、JBIC Academiaを活用したOFFJT(Off t he J ob Training)に加え、現場で即戦力として経験を積むことを通じて、目指すべきキャリアパスを明確にするOJT(On the Job Training)を実施。新卒入行職員にはトレーナー(業務上の育成指導役)が一人ひとりつき、組織に早期に定着し自律的に活躍できるようサポートしています。さらに、「リモート環境下の適切な人材育成」などの実現に向けて、2023年4月よりITツールのLearning Management System(LMS)も導入しています。
※総合職の研修体系。業務職については、海外大学院留学、海外駐在員事務所トレーニー派遣、駐在員事務所赴任研修含め一部対象外となります。
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国際ビジネスの最前線で活躍することに加え、JBICの将来の経営幹部人材を育成するため、各階層において必要となるスキルの習得(新入職員:論理的思考力等、中堅:巻き込み力等、管理職:リーダーシップおよび組織マネジメント等)や、人材育成能力の強化を進めています。
業務を遂行するにあたって必要となるさまざまな専門知識(ソブリン、コーポレート、PF/ SF、出資、法務、環境・サステナビリティなど)について研修・勉強会を実施しているほか、業務上必要な専門知識の習得のために、他の機関が行っている研修等を受講した際、その費用を補助しています。
職員が志向する専門性に応じて、業務に関連する経済学、経営学、公共政策、法律等の知識の習得を目的とした海外・国内の大学院 への派遣をしています。また、国際機関 、民間銀行の海外拠点等への一部公募制による出向に加え、外交・経済政策を担う官公庁への出向を行っています。
新人・若手職員はプライベートレッスンや集合研修を通じて英語力を集中的に強化するほか、総合職の新人・若手職員には海外駐在員事務所で数か月間のトレーニー研修を積む機会があります(2022年度の派遣実績:男性職員15人、女性職員11人)。
業務に関連する外国語(英語以外も含む)の取得を促進するため、授業料や受講料等の費用の一部を補助しているほか、海外大学院・出向に加えて特殊語学の語学学校にも派遣をしています。
※1 海外大学院:ハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学、コロンビア大学、ロンドン・ビジネス・スクール、ケンブリッジ大学等。
※2 国際機関:世界銀行、国際金融公社等。
複雑化・多様化していく業務に適切に対応し、JBICに対する社会的な要請に応えていくためには、各職員が「高度な専門性」を備えることが重要です。一方、様々な業務の中でJBICを代表して活躍するためには、特定の分野のみならず、その背景となる関連分野にも精通し、臨機応変に対応できる「多面的なスキル」も欠かせません。
このような「高度な専門性」と「多面的なスキル」を、各職員との対話も行った上で、意向や適性に合わせて備えていけるよう、JBICではキャリアディベロップメントの取組みを推し進めています。
2020年4月に「業務分野認定制度」を導入。若手のうちは2 ~ 3年ごとに、出融資担当部門からコーポレート部門まで幅広く異動します。中堅職員になった段階で、知見・専門性の高度化を目指すべき業務分野を職員ごとに認定します。また、その後のキャリアパスとして、当該分野において管理職として組織マネジメントの観点から活躍する「マネジメント人材ラダー」と、業務分野の中でさらに特定の領域における高度な知見・専門性を発揮して活躍する「プロフェッショナル人材ラダー」の二つを設けており、本人の希望や適性に合わせて多様なキャリアパスを選択できます。
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総合職と比べて比較的長い期間、同じ部署で業務知識を蓄積することで、業務運営を支える「高度な事務のプロフェッショナル」になっていきます。
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キャリアディベロップメントに際して、職員と組織がキャリアのあり方について継続的に協議しながら、長期にわたって取り組むことが必要です。そこで、毎年のキャリア開発に向けた取組みを職員ごとに協議する「能力開発協議」、異動時に新旧部署と人事室で対象職員のキャリアの方向性を協議する「人材育成方針協議」を実施。また、総合職の場合は、キャリアの節目を迎える入行6・7年目に、中長期キャリアパスについて協議する「人材開発審議会」も実施しています。