【パリ】
環境意識の高い欧州で、次世代に向けた変化の胎動を体感する

海外駐在員(パリ駐在員事務所、首席駐在員)の活躍とは

OUTLINE

欧州及びフランス語圏アフリカ地域向けの投融資プロジェクトの開拓などを行うパリ駐在員事務所で、首席駐在員を務める辰巳智則。気候変動への対処に向けて世界の産業構造が大きく変わりつつある中、環境意識の高い欧州でその変化の胎動を肌で感じ、日本とJBICが果たすべき役割を改めて考えるために海外赴任を決意したといいます。ウクライナ復興支援のあり方を検討する日々や、パリに身を置くことで得た気付き、日本語・英語・仏語が交錯する事務所内の雰囲気などを聞きました。

PERSON

総合職
辰巳 智則(2000年入行)
パリ駐在員事務所
首席駐在員
職務経歴
2000年
法規室
2002年
国際金融第一部(アジア大洋州)
2004年
パリ第二大学留学
2005年
人事室
2008年
欧阿中東ファイナンス部
2010年
経営企画部
2012年
パリ駐在員事務所
2015年
インフラ支援強化室
2017年
石油・天然ガス部
2020年
経営企画部

欧州での情報収集を通じ
ウクライナ復興支援のあり方を検討

近年、気候変動など地球規模課題への対処が待ったなしの課題と認識されるようになり、それに応じて人々の暮らしを支えるエネルギーや産業そのものが構造的でダイナミックな変革を迎えようとしています。こうした中、国際金融を担う身としても、次世代を見据え、来るべき変化に備える必要があると強く感じるようになりました。そこで、気候変動に対する危機感の強い欧州に身を置き、変化の胎動を肌で感じつつ、政策金融機関として果たすべき役割を改めて考えてみたいと考え、パリへの赴任を決意しました。

パリ駐在員事務所では、欧州及びフランス語圏アフリカ地域向けの投融資プロジェクトの開拓をはじめ、欧州に所在する国際金融機関や公的金融機関との協調、欧州委員会が打ち出す気候変動やエネルギー、産業などに関する政策の調査・研究などを行っています。そのため、欧州・アフリカ各国の政策機関・金融機関や、欧州に所在するシンクタンクなどと意見交換をする機会が多いのが特徴です。

現在はウクライナ紛争後を見据えた復興支援のあり方について、欧州の動向を見つつ、様々な検討や情報収集を行っています。若手職員の時代にウクライナを担当していたこともあり、美しい街並みのキーウをはじめよく訪れた都市が被害に見舞われている現状をとても悔しく思います。人々の暮らしが日常を取り戻し、復興に向けた力強い胎動が見え始めることを期待しながら、日本としてどのような貢献ができるのかを日本企業の皆様のご意見を伺いながら検討しています。

ウクライナ復興支援のあり方を検討する中で、ウクライナと国境を接する国々に出張する機会も増えました。ポーランドやルーマニアといった中東欧地域は、西欧マーケット向け製造業の集積地でもあり、地域の接続性を高めるためのインフラ需要が高く、投資機会が多く存在します。実際に訪問してみて驚いたのは、これらの地域では日本企業が非常に期待されているということ。こういった日本への好感に応えられるよう、JBICとしてできることをしっかりと探していきたいと思います。

スタートアップが果たす
役割の重要性を実感

私はパリに留学したことがあり、以前にも駐在経験があるため3度目のパリ滞在です。今回パリに赴任して再認識したのは、スタートアップ企業の果たす役割の重要性です。アフリカでは電力へのアクセスや食糧、医療など様々な社会課題が存在しますが、こうした問題にアプローチしている日本発スタートアップの活躍・奮闘を目にすると、たいへん心強く、誇らしく思います。また、欧州では日本企業が新たな技術を求めて、欧州発のスタートアップとの協業を模索する動きをよく目にします。JBICとしても、スタートアップを巡るこうした双方向の流れをどのように支援できるかを研究していく必要があると感じています。

海外駐在に挑戦する魅力は、ホスト国の実情を肌で感じ、現場で奮闘する事業者の方々からナマの声を聞けることにあると思います。最終的にファイナンスが結実し、プロジェクトが成果を出すまでには長い懐妊期間を必要としますが、海外の現場でその「過程」に接することで、我々が為すべきことが明確になり、強い問題意識を持って仕事を進めることができるようになります。

欧州やアフリカは日本企業にとって参入の難しいマーケットですが、駐在期間中は、こうした地域で起こっている変化に目を凝らし、学びを蓄積して、帰国後のファイナンス実務につなげていきたいと思います。また、JBICには海外の諸事情に高い関心を持ち、物怖じしない積極的な姿勢で仕事に向き合っている若手職員がたくさんいます。こうした若手のエネルギーを大切にし、役職に関係なく活発に議論し、意見を出し合い、高め合える職場を作ることができるよう、マネージャーの一員として努力していきたいと思います。

オフには劇場に足を運び
欧州が誇る良質な文化を堪能

パリ駐在員事務所は、10名程度で構成されている小規模なオフィス。各自がプロフェッショナルとして、それぞれの役割を効率的に果たしてくれています。職員同士の関係性も良好です。お弁当を持ち寄ってオフィス内でランチをしたり、建物内の食堂に一緒に行ったり。欧州の他都市やアフリカへの出張も多いので、それぞれの国の文化について話し合うことも多いです。

事務所内では日本語と英語、フランス語が交錯していますが、海外赴任時に改めて語学研修を受講できるので、学ぶ意識さえあれば全く心配する必要はありません。また、各種研修がオンライン化されているので、若い職員にとっても、本店で勤務しているのと同環境で学び続けられる環境です。

休日や業務終了後は、機会を見つけてよく劇場に足を運んでいます。広告塔や地下鉄の壁に貼られたポスターを見て、気になる公演のチケットを予約することが多いです。パリには、ロンドンやニューヨークのように高度に商業化されたシアター街は存在しませんが、街に溶け込むように点在する各劇場では、選び抜かれた良質な作品が日々上演されています。ロングランの古典から実験的な現代劇まで、幅広いジャンルの舞台を楽しむことができます。

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