JBICは2021年10月、サステナビリティ実現に向けた強いコミットメントを示すべく、ESG※1ポリシーを策定するとともに、とりわけ国際経済社会にとって対応が急務となっている気候変動問題への対応方針について公表しました。
2024年6月に公表した第5期中期経営計画では重点取組課題の一番目の柱として「持続可能な未来の実現」を掲げ、世界共通の課題であるカーボンニュートラル※2の達成、相手国が抱える社会課題の解決への貢献などを推し進めています。
※1 ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉。
※2 カーボンニュートラル:温室効果ガスの排出量を全体としてゼロとすること。
国際経済社会は、気候変動への対処や経済・社会・環境のバランスの取れた持続可能な開発・成長の模索といった共通の課題を抱えています。JBICはこうした課題に対し、ESGポリシーの中で掲げる「サステナビリティの実現に向けた取組方針」に基づき、国際経済社会の持続可能な発展や地球規模課題の解決というグローバルなサステナビリティ、そして国家および人々の多様性を包含する世界の実現に向け、ステークホルダーの皆さまと共に取り組んでいます。
出融資等を通じた脱炭素社会の実現に向けたエネルギー変革への対応
温室効果ガス削減や
グリーンイノベーションの普及を支援
エンゲージメントを図りつつ
世界のエネルギー移行に向けた
取り組みを支援
※3 環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン。
※4 再生可能エネルギー等の気候変動対策・環境保全に資する事業に資金使途を限定して発行する債券。
出融資等を通じた社会的課題解決に資する事業に対する支援
持続可能な成長に向けた社会課題の
解決に資する事業支援
環境社会配慮ガイドラインに沿った地域社会等への配慮確認
多様な職員の能力と活力を引き出す人材育成と働き方改革の推進
職員の多様性を活力とする
組織文化の醸成
自律的なキャリア形成・
能力開発の支援
職員が活力を持って持続的に
働ける環境の整備
サステナビリティ推進体制の強化
コンプライアンス態勢の実効性強化
外部イニシアチブへの参加
JBICはESGポリシーの中で掲げる「気候変動問題への対応方針」の下、パリ協定の国際的な実施に向け、2030年までの自らのGHG排出量ネットゼロの達成、2050年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロの達成を追求しています。また、政策金融機関としてのリスクテイク機能や対外交渉力の発揮・強化を通じ、世界の脱炭素化に向けた動きを金融面からリードしています。
JBICでは、気候変動を含むサステナビリティに関する重要事項は、取締役会による監督の下、経営会議、サステナビリティ委員会、統合リスク管理委員会などで議論されます。
環境や人権への世界的な関心が高まる中、特に海外事業においては環境社会影響に関するリスクマネジメントが不十分なために事業の実施に重大な影響が出たり、社会的なレピュテーション・リスクを負う事例も少なくありません。
JBICでは、このような状況の下、業務遂行にあたり「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」に基づいて、JBICの出融資保証の対象となるすべてのプロジェクトにおいて、地域社会や自然環境に与える影響に配慮して事業が行われていることを確認しています。
スクリーニング
投融資等の決定前に、対象プロジェクトを環境の影響の程度に応じてカテゴリ分類。
環境レビュー
環境社会配慮の適切性について確認。
モニタリング
結果の確認
投融資等の決定後に、実際の影響を確認。
JBICは、環境などの先端技術や独自の強みを活かした日本企業の海外展開を後押しするため、2022年7月、「グローバル投資強化ファシリティ」の下に「サステナビリティ推進ウインドウ」を創設しました。日本企業による脱炭素化をはじめとする地球環境保全への貢献を支援しています。
サステナビリティ
推進ウインドウ
温室効果ガス等の排出削減に資する案件(再エネ、省エネ、グリーンモビリティ、二酸化炭素回収・削減、その他低炭素技術・素材等)
上記以外の地球環境保全目的に資する案件(大気汚染防止、水供給・水質汚染防止、廃棄物処理、海洋プラスチック問題対応等)
地球環境保全目的に資する非化石エネルギー源を対象とする案件