経営企画部企画課長に聞く:第5期中期経営計画に込められた思い

今後入行する皆さんにも「先導」と「共創」を期待

OUTLINE

国際社会は、ロシアによるウクライナ侵攻、先進国とグローバルサウスの関係性の大きな変化、サプライチェーンの再構築やエネルギー・食料問題を含む経済安全保障の確保、インフレと債務コスト増等の国際金融環境の変化といった歴史的・構造的課題・変化に直面し、世界情勢は不確実性を増しています。こうした中、JBICは2024年6月に第5期中期経営計画(2024~2026年度)を策定しました。《「先導」と「共創」:世界の課題解決を「先導」する。未来を「共に創る」。》をテーマに掲げる本計画に込めた思いを、計画立案に携わった経営企画部の企画課長に聞きました。

PERSON

総合職
花形 峻(2007年入行)
企画部門
経営企画部 企画課
課長

重点的に取り組むべきは
「JBICだからできること」

第5期中期経営計画(2024~2026年度)では、「先導」と「共創」をテーマにしました。日本や国際社会の直面している諸課題が多様化・複雑化してきている中、それらを解決に導くためには一つの部門だけでは限界があります。出融資担当部門のみならずミドル・バック部門も含めた、銀行全体で補い合いながら取り組むこと。顧客や国内外の政府・金融機関など多くのステークホルダーとも連携し、未来を「共に創る」ことが重要です。

歴史的・構造的変化

カーボンニュートラルと
経済成長の両立
エネルギー安全保障の重要性

先進国とグローバルサウス
との関係性の変化
国際社会の多軸化の進行

サプライチェーンの分断
デリスキングの
重要性の高まり

インフレと
債務コスト増など
国際金融環境の変化

生成AIに象徴される
DX普及や革新的技術の
開発・実装とクリーン電力
確保など新たな課題への対応

我が国の労働市場の変容・
人口減少を踏まえた
「人への投資」の進展

第5期中期経営計画のテーマ

「先導」と「共創」:
世界の課題解決を
「先導」する。
未来を「共に創る」。
Navigate toward and Co-
create a Valuable Future

また、気候変動問題への対処は引き続き国際社会の喫緊の課題ですが、脱炭素化社会の実現と持続可能な経済成長の両立にあたっては、革新的な技術によるブレークスルーが必要不可欠となっています。そこで、政策金融機関であるJBICが先頭に立って世界の課題解決を「先導」することで、従来以上に民間資金動員を促すべきと考えています。例えば、2024年4月に貸付契約を締結したドイツの地熱発電案件は、まだ商用化されていない先進技術を用いていることから民間金融機関だけではリスクを取りきれない中、JBIC独自のリスクテイク機能を駆使してプロジェクト実現を先導した好例といえます。

計画を作る過程で、常に議論の根底にあったのは「JBICだからできることに取り組むべき」という意識でした。「先導」と「共創」というテーマをはじめ、多国間連携や特別業務を含むリスクテイクなどの機能の活用、戦略的な情報分析を通じた独自のソリューションの提供といった、JBICならではの取組みをハイライトすることは、本計画の全体に通底する考え方です。

一人ひとりが自分事化できる
身近な中期経営計画にしたい

加えて、中計チームでいつも話していたのは「自分事化できる、身近な中期経営計画にしたい」という思いでした。職員一人ひとりが自分事として受け止められなければ、計画を実行するためのモチベーションは高まりません。そこで、特設サイトを作って検討過程の資料と議事録を職員に公開し、職員との意見交換の場も設けるなど、銀行全体として策定プロセスを進めてきました。そして、重点取組課題を4つ、取組目標を11個に絞り込み、シンプルな中期経営計画としたつもりです。さらに、実際に計画をアクションに移していく中で、もっとコミュニケーションを図る必要性も感じています。

皆さんも入行後は、多くの関係者を先導し、チームで共創していくことが求められます。大切なのは、目の前の案件や業務を自分事化すること。是非、自分ならではの問題意識も本計画と重ねながら、JBICというフィールドを通じてその解決に取り組んでいただきたいと思います。

重要取組課題と取組目標

持続可能な
未来の実現

・カーボンニュートラルと経済発展の統合的実現への貢献
・ホスト国との協働による社会課題解決への貢献
・サステナビリティ経営の責任ある実行

我が国産業の
強靭化と
創造的変革の支援

・我が国のエネルギー安全保障の確保、国益に資する戦略的なバリューチェーン/ サプライチェーン強靱化及び先端的産業基盤整備への支援
・革新的技術・事業の展開支援
・グローバルに活躍する中堅・中小企業の海外展開支援

戦略的な
国際金融機能の
発揮による独自の
ソリューション提供

・我が国の対外経済政策の構築・実現に貢献する案件への支援
・戦略的な情報分析を通じた独自のソリューションの提供

価値創造に向けた
組織基盤の強化・
改革

・人的資本経営の実践
・DXによる業務効率化・業務推進基盤の整備
・エンゲージメントの高い組織づくり・組織の基盤強化と安定・効率的運営

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