GHG排出量ネットゼロ達成に向けて、JBIC業務全体の長期戦略を策定

入行9年目(サステナビリティ統括部、総合職)職員のJBICライフとは

OUTLINE

2022年に新設されたサステナビリティ統括部で、気候変動分野におけるJBIC業務全体の長期戦略策定に携わっている髙橋渉。科学的知見や国際動向が随時更新され、定まった正解がなく、様々な関係者から多角的な意見が出やすい中で、JBIC全体に影響を及ぼすチャレンジングな業務にやりがいを感じているといいます。サステナビリティ統括部における日々の業務や、これまで積み重ねてきたキャリア、民間金融機関への出向の経験について聞きました。

PERSON

総合職
髙橋 渉(2016年入行)
企画部門
サステナビリティ統括部 第1ユニット
調査役
職務経歴
2016年
電力・新エネルギー第2部
2018年
財務部
2020年
産業投資・貿易部
2022年
出向(株式会社みずほ銀行シンガポール支店)
2024年
サステナビリティ統括部

サステナビリティ統括部で
気候変動分野の戦略を検討

私は現在、2022年に新設されたサステナビリティ統括部に所属しています。当部では人権や生物多様性を含む広範なサステナビリティ課題に取り組んでいますが、私の所属する第1ユニットは特に気候変動分野を所掌しています。JBICはパリ協定の実施に向け、2021年に公表したESG※1ポリシーにおいて、2050年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス(以下、GHG)排出量ネットゼロの達成を追求していくことを表明しています。私はこうした目標の達成に向けて、新規案件の推進体制整備や、GHG排出量の算定を含む既往案件の管理など、JBIC業務全体の長期戦略の策定に携わっています。

出融資担当部門であれば今後推進すべき案件に、財務部であればグリーンボンド発行による資金調達に関わるなど、サステナビリティ統括部が所掌する気候変動分野は、JBICの業務に幅広く影響があります。そのため、関係者との意見調整は容易ではありません。また、科学的知見や国際動向が随時更新され、定まった正解がない一方で、世間的な関心は高く情報があふれているため、多角的なアイデア・意見が出やすいと感じています。様々なアイデア・意見を集約しながら一つの方向性に導くためには、自分自身がこの分野の専門家として最新の科学的知見や国際動向を理解する必要があり、チャレンジングな業務にやりがいを感じています。

そこで、外部研修などを活用して積極的に知識を身につけている他、情報を日々アップデートしていけるよう、関連ニュースをチーム内でシェアする体制を構築。JBICの投融資ポートフォリオにおいて大きな割合を占めるアジアをはじめ、米国・欧州などの動向も注視しています。同時に、全行向けの研修資料を作成することで、JBIC全体でサステナビリティに関する知識レベルを上げていく取組みも進めています。

政策対話や有事への対処など
JBICならではの業務も経験

これまでのキャリアを振り返ると、ジョブローテーションを通して多様な知識・視点を獲得することができたように思います。大学院で海外インフラ事業を研究対象としていた私は、新興国における莫大なインフラ需要を満たすためには、民間セクターからの資金動員が必要だと感じていました。官民の適切なリスク分担を実現する上では金融が重要な役割を果たすと考えるようになり、特に官民両セクターに近いJBICであれば自分の問題意識に最も合っていると思い、入行を決めました。

初めに配属された電力・新エネルギー第2部では、国担当としてトルコ共和国を担当し、トルコ政府・政府機関と政策対話を行うソヴリンRM※2に努めました。エネルギーを輸入に依存している同国に対して日本の質の高い電力インフラを提案するなど、相手国の課題と日本企業の強みをマッチさせる政策金融機関としての醍醐味を体験しました。

続いて配属された財務部では、基礎的な金融リテラシーや銀行業に携わる心構えを学びました。証券アナリスト試験の費用補助制度を活用して、証券アナリストの資格を取得したのもこのときです。また、産業投資・貿易部では、コロナ禍で苦境に立たされている多くの日本企業に迅速に融資をしていく必要があり、有事への対処や、政策金融機関に求められる役割を学ぶことができました。

民間に出向して得た視点を
インフラ案件に活かしたい

私にとって大きな転機になったのが、株式会社みずほ銀行シンガポール支店への出向でした。JBICで長年働いているうちに、政策金融機関とは異なる民間金融機関の仕事も体験してみたいと考えるようになっていました。また、大学院で研究していた海外インフラ事業に携われる好機でもありました。

JBICでは日本企業が関与するプロジェクトを主に支援していますが、出向先ではJBICが支援している世界の外側にもビジネスが大きく広がっていることや、民間企業だけで完結する事業のスピード感を、案件組成を通じて身をもって体験しました。また、JBICが参画することによる事業推進上の制約などについて、行外の様々な方から忌憚のないご意見を聞けたことのも良い学びとなり、JBIC全体に関わる企画業務を行っている現部署の仕事に役立てられています。

入行前に抱いていた思いはそのままに、今後も官民が協力するインフラ事業に携わり続けたいと思います。時代の要請や技術の進歩に合わせてやるべきことは刻々と変わっていきますが、社会問題の解決と、事業に参加するステークホルダー全体の利益を両立できる仕事を追求していきたいと考えています。また、今後JBICが必要とされる大規模プロジェクトにおいて、進むべき方向性を示し、議論をリードできるプレイヤーとして活躍できるよう、さらに研鑽を積んでいこうと思います。

※1 ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉。
※2 RM:ビジネスパートナー間に良好で長期的な関係を構築するためのビジネス戦略手法。

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