JBICでは、新卒入行1年目の職員(トレーニー)に対し、業務に習熟した若手または中堅職員が育成指導役(トレーナー)として付き、指導やサポートを行うトレーナー制度があります。この制度の下、新人職員はサポートを受けながら実践を通して知識やスキルを身につけ、1年目から責任ある業務に取り組んでいます。JBICのトレーナー制度の特色や、自己の成長について、新人職員とトレーナーが語り合いました。
オタイベ配属当初の右も左も分からない段階から、約半年を経た現在まで、トレーナーの駒井さんには手厚いサポートをいただき感謝しています。最初の頃は勉強会のような形でほぼ毎日、JBICのファイナンスメニューや行内ルールについてレクチャーいただき、基礎から知識を積み上げて、業務の全体像を徐々につかむことができました。
駒井JBICのファイナンスメニューの中には、「輸出金融」等、OECDの紳士協定や関連する行内ルール等の複雑な規程を理解しておかなければいけないものもあります。まずは知識としてしっかり身につけてほしいと考えて、勉強会の形にしました。毎回のトピックはその都度必要だと思ったものを私が選び、回によっては、仕事の進め方や心構えといったソフトスキルをテーマにしたことも。その後も2週間に1回くらいの頻度で、お茶を飲みながらカジュアルに対話する場を設けてきたね。
オタイベそれも私には有り難かったです。業務に関する質問は日常的に駒井さんにしていますが、それとは別に、仕事上で生じた些細な疑問から込み入ったご相談まで、何でもお話しできる貴重な機会です。自分でも気付いていない自身の課題点について、「こうすればもっと良くなるんじゃない」と駒井さんから助言をいただくこともあります。定期的にお話しできる場があることは、安心感にもつながっています。
駒井定期的な対話は、私自身が新人のときにトレーナーさんにしてもらい役立ったことで、それを私も採り入れました。JBICではトレーナーを務めるにあたっての研修はあるけれど、具体的な指導やサポートの仕方は各トレーナーに委ねられていて。上長とも相談の上で1年間の育成指導を計画的に進めていますが、個々のトレーニーに合わせたトレーナーのオーダーメイドで、時々の指導内容や進度は調整しています。
オタイベ私の性格や考え方、その時々の理解度なども駒井さんは考慮してくださった上で、私に合わせたサポートをしていただいていると日々実感しています。オーダーメイドとお聞きするといっそう、見てくださっているという心強さを覚えますし、もっと成長したいという気持ちが湧いてきます。
オタイベ駒井さんが主担当、私が副担当として、同一案件の管理業務に一緒に取り組めたことは特に学びが多かったです。駒井さんの仕事の進め方や顧客対応の仕方を間近で見ることで、教わった内容と実践とを結びつけながら、理解をより深めることができたと思います。当初は指示を仰ぐばかりでしたが、まずは自分で考えることを駒井さんは促してくださいました。
駒井1年目は分からないことばかりで、何でも「どうしましょう」と聞きたくなるよね。だけどJBIC職員として働く上では、とにかく早い段階から自分で考える練習を積むことが欠かせない。それに、ずっと受動的では実践力もつかないので、仕事を楽しめるようにならないと私は思っていて。そうした考えからフィードバックしました。
オタイベアドバイスをいただいてからは、何事もいったん考えて、自分なりのアウトプットをしようと意識するようになりました。分からないこともすぐ質問するのではなく、一度自身の中で課題を分解し、方向性を検討した上で指示を仰ぐことを心掛けています。
駒井直近の1か月で、オタイベさんの相談の質は目覚ましく向上したと思う。相談相手に何をどう説明すればより伝わりやすいのか、事前に考えて準備しているのが分かる。他者に聞く前に、できる限り自分で考えて付加価値をつける、その姿勢を今後も大切にしてほしいと思います。
オタイベ良くなった点を駒井さんにご指摘いただけると、努力の方向が間違っていなかったのだと自信になります。「報告・連絡・相談」は社会人の基礎とされていますが、これを適切に実行するのはそう簡単ではないと実感しました。私ははじめ、報・連・相が十分ではなく、それを反省して意識的に取り組んだら、今後は過多になってしまって。ようやく今、適切なバランスが分かってきた段階です。
駒井トレーナーを務める上で私が心にとめていることの一つが、トレーナーが一人で全てを教える必要はない、ということ。チームには様々な背景や得意分野を持つメンバーがいるので、トレーニー自身がそうした周りの人たちとつながりを持ち、多面的に学びを深めていくことが理想。その中継点となるのがトレーナーであり、例えば「この国のことはこの方に聞けば詳しいよ」などと的確にパスを出すことも、トレーナーの役割だと考えています。
オタイベ「トレーナーの生き写しになる必要はない」と駒井さんは最初に伝えてくださいました。広く周りの方々から学ぶべきだという言葉は胸に刻んでいて、駒井さん以外のチームの方々にも自分から積極的に質問をしたりアドバイスを仰いだりするようにしています。
駒井周りの人たちの良いところをまずは真似てみる。それを繰り返す中で、徐々に適切な仕事の仕方、いわば自分の型ができてきて、その型を使いこなせて初めて仕事は楽しくなると思う。私自身を振り返ると、自分で仕事をハンドルする楽しさを実感できたのは3年目かな。オタイベさんはそのための土台を築いている時期なので、今は手元にある仕事の一つひとつに真摯に向き合うことを大切にしてほしいと思います。
オタイベはい。配属から半年を経て、私が駒井さんから主担当を引き継いで、管理業務をメインで担う案件も増えてきました。入行1年目で案件の主担当として顧客対応を任せていただき、責任とやりがいを噛みしめています。駒井さんをはじめ周りの方々からサポートやフォローをいただきながら、入行前に想像していた以上に裁量のある仕事を担うことができています。
駒井出融資担当部門において、顧客対応は仕事の根幹ともいえる重要な業務。1年目からその経験を積めるのはJBICの魅力だと思う。いったん自分で考えて先輩職員にアウトプットを示し、それに対する助言や指摘を踏まえて実践を重ねることで、顧客対応の仕方や案件の動かし方は分かってくるはず。新たな価値を自ら作り出す仕事に、1年目から携われるのはJBICならではの良さです。
オタイベもともと開発途上国を中心とする社会問題に関心があり、就職活動では、インパクトを持って社会問題の解決に貢献できるか、という点を企業選択の一番の軸にしました。現在担当している業務の中には、各国の大臣や大使と、JBICの役員との会談に向けた資料準備や調整などの要人対応業務もあり、実際にハイレベルな会談の場に同席する機会もあります。思い描いていた以上に携わる仕事のスケールが大きく、また学びが多いので、入行前の目標は今後十分に達成できると思っています。
駒井目指す自分へとキャリアのステップを踏む上でも、そしてJBIC職員として使命を遂行する上でも、入行1、2年目に築き上げる社会人の基礎の部分は、必ず自分の支えになります。オタイベさんが今実践しているような、相談方法を改善する、タスクを緻密に整理するといった地道な取組みを今後も継続してほしい。それが、周囲の人からの信頼の獲得につながり、挑みがいのある面白い仕事を任されるようになるはずです。
オタイベ駒井さんにおっしゃっていただいたように、今は目の前の一つひとつの仕事に全力で取り組むことに努めたいです。JBICでは性別や年次を問わず誰もが挑戦を重ねられる環境があること、そして意義のあるプロジェクトに携われることに大きな魅力を感じています。この先、案件の形成などを通じて、社会問題の解決に貢献していきたいですし、世の中を大きく変えるような、ムーブメントを生み出す一助となれたらと思います。
駒井2年目以降、仕事の難易度も上がるので、新しいことにチャレンジしながら、アウトプットのスピードと質の両方を追求していってほしい。その先に、自分で自分の仕事をハンドルする醍醐味をぜひ体感してほしいと思います。応援しています。