私たちの使命#2

教育・医療水準の向上など、ベナンの持続可能な発展に貢献したい

気候変動問題に対する日本政府の長期戦略にも合致

OUTLINE

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西アフリカに位置するベナンは電化率が低く、再生可能エネルギーを含む電力供給が喫緊の課題となっています。こうした中、JBICは2021年3月、ベナン政府との間で、融資総額30百万ユーロ(うちJBIC融資分18百万ユーロ)を限度とするクレジットライン設定のための一般協定を締結しました。本件を担当した宝蔵花穂は、コロナ禍という制約のもとコミュニケーションを工夫し、再生可能エネルギーを活用した分散型電源設置などを含む、同国における地球環境保全プロジェクトの実施に必要な資金の融資枠設定を実現させました。本件を通して実感したJBICの、そして自身の使命とは。

PERSON

総合職
宝蔵 花穂(2019年入行)
資源ファイナンス部門
石油・天然ガス部 第3ユニット
係員(当時)

地球環境保全プロジェクトの支援を通じ
ベナンの社会課題解決に貢献

ベナン共和国(以下、ベナン)は、西アフリカに位置する共和制国家です。同国政府は2016年にパリ協定に署名し、2017年には気候変動対策計画を策定。温室効果ガス排出量の削減に高い数値目標を掲げるなど、気候変動対策に対して強いコミットメントを示しています。こうしたベナンの取組みに寄与するため、JBICは2021年3月、ベナン政府を通じて、ベナンにおける地球環境保全プロジェクトの実施に必要な資金の融資枠設定を実現させました。

ベナンの電化率は41.4%(都市70.8%、地方18.0% ※2016年時点)に留まっており、特に地方において再生可能エネルギーを含む電力供給が喫緊の課題となっています。例えば学校や病院に電気が通っていなければ、教育・医療の水準は高まりません。本件で支援する地球環境保全プロジェクトとして、再生可能エネルギーを活用した分散型電源設置などが期待されていますが、各家庭の電化が実現すれば、雨の日でも、また暗くなったあとでも、子供たちが学校や家で勉強を続けることができます。私自身、融資交渉のカウンターパートであった政府担当者と対話をする中で、電化は単なるエネルギー供給に留まらず、こうした社会課題解決にもつながるのだと気付かされました。国の発展において「人」の育成を重視している同国の優先課題に貢献する、本件の重要性を実感することができました。

しかし、ベナン政府はJBICにとって初めての交渉相手であり、アフリカと日本ではビジネスのカルチャーも異なります。コロナ禍の影響で出張できないという制限も重なり、もどかしさを感じる場面もありました。そこで、ミーティングの前後には電話やメールで念入りにフォローしたり、明確なマイルストーンを提示することでスケジュールの捉え方を合わせたりと、コミュニケーションを工夫して信頼関係を構築。自らの使命を胸に難しい局面を乗り切り、無事に契約調印を達成することができました。

両国にとって意義がある
案件に携われる面白さ

一方、本件は日本にとっても重要なプロジェクトでした。日本政府が2019年6月に決定した「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」では、パリ協定に基づき気候変動対策資金の供与を積極的に拡大していくことを目指しており、本件はこの戦略にも合致。また、本件を通じて実現する地球環境保全プロジェクトを通じて、ベナン政府と日本企業との協業や技術活用などの可能性が広がることも期待されています。

このように日本と世界、官と民をつなぐ独自の立ち位置で、地球規模の課題に取り組めるのがJBICで働く醍醐味です。互いにWin-Winな関係を築く過程では難しさもありますが、開発途上国とも対等なビジネスパートナーとして互いのニーズを摺り合わせていく過程にはとてもやりがいを感じます。

現在、私は経営企画部企画課でESG※1・サステナビリティ関連の業務に従事しており、気候変動、生物多様性、人権など様々な課題と日々向き合っています。今後は広い分野の見識を深めながら、世界全体のアジェンダに対してJBICが果たせる役割を考え、実際の業務に統合していく役割を担っていきたいと思います。

PROJECT OUTLINE

ベナン政府は2016年にパリ協定に署名し、2017年には気候変動対策計画である、「Nationally Determined Contributions(NDC:国が決定する貢献)」を策定した。2030年までに森林セクターを除く温室効果ガス排出量を、削減計画を実行しなかった場合と比較して21.4%削減する数値目標を掲げる等、気候変動対策に対し強いコミットメントを示している。こうした中、JBICは2021年3月、ベナン政府との間で、融資総額30百万ユーロ(うちJBIC融資分18百万ユーロ)を限度とするクレジットライン設定のための一般協定を締結した。本クレジットラインは、地球環境保全業務※2の下で、ベナンにおける地球環境保全プロジェクトの実施に必要な資金をベナン政府を通じて融資するものであり、JBICとして初のベナン向け案件である。本件は、同国における地球環境保全プロジェクトの推進を通じた温室効果ガスの排出削減への貢献とともに、ベナンの持続可能な発展を実現する一助となることも期待されており、日本政府が2019年6月に決定した「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」にも合致するものである。

※1 ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉。
※2 地球環境保全業務(通称「GREEN」):高度な環境技術を活用した太陽光発電などの高い地球環境保全効果を有する案件に対して、民間資金の動員を図りつつ、融資・保証・出資及び投資を通じた支援を行う業務。